子牛の疾病率が最も高い病気として下痢があります。
下痢は発育を防いだり、子牛の免疫を弱らせたりと様々な弊害がでてきます。
事故率低減は最も重要な経営課題の一つですよね?
今回は
- 下痢の原因と症状
- 予防方法
について詳しく解説していきます。
子牛の事故率低減に努め、被害を最低限に食い止めましょう。
子牛の下痢の原因は主に3つ
子牛の下痢は細菌や虫によって引き起こされます。
主な原因は下記の3つといわれています。
- 細菌(大腸菌、サルモネラ)
- 原虫(クリプトスポリジウム、コクシジウム)
- 寄生虫(消化管内部線虫)
この中でも特に多い病気がクリプト、コクシ、ロタです。
これらの病気を防ぐことによって、事故率が改善します。
具体的な賞状と治療方法を確認していきましょう。
クリプトの症状と治療方法
クリプトの特徴は下記のとおりです。
- 発生月齢・・2週間以内
- 時期・・11月~4月の寒冷期
- 症状・・脱水(眼の陥没)、沈うつ症状(昏睡、起立困難、歩行ふらつき)
- 診断・・便の色は粘液を含んだ黄色。目視で可能。キットを利用すると10分程度で判断可
- 治療方法・・ネッカリッチ10g、整腸剤10gを子運号させたサプリメントを哺乳後に1日3回
- 予防・・生後2日目から木酢炭素末製剤10gまたは母牛に対するワクチン
生後間もない牛に感染し、人にも感染するケースがありますので注意が必要です。
下痢が収まった後も周囲の環境に悪影響を与えますので、熱湯消毒や石灰塗布を用いて改善させましょう。
コクシの症状と治療方法
コクシの特徴は下記の通りです。
- 発生月齢・・3か月以上
- 発生時期・・4月~7月
- 症状・・軟便や血便、淡黄色から淡緑色のような下痢便
- 治療方法・・トリトラズリル製剤の経口投与
- 予防方法・・1か月ごとのトリトラズリル製剤の経口投与
クリプトやロタと異なり、血便になるケースがあります。
ロタの症状と治療方法
ロタの特徴は下記のとおりです。
- 発生月齢・・2週間以内
- 症状・・脱水(眼の陥没)、沈うつ症状(昏睡、起立困難、歩行ふらつき)
- 診断・・便の色は粘液を含んだ黄色。目視で可能。キットを利用すると10分程度で判断可
- 治療方法・・木酢炭素末製剤10g、整腸剤10gを混合させたサプリメントを哺乳後に1日3回
- 予防・・生後2日目から木酢炭素末製剤10gまたは母牛に対するワクチン
クリプトと症状が似ています。
発熱を伴いますが、適切な処置をすれば死亡率が低い病気です。
合併症を引き起こすケースも多い
上記が主な下痢の原因ですが、実際は複数の病原菌に感染していることが多いです。
薬などの投与は効果的ですが、下痢が頻発する場合は根本的な解決にはつながりません。
重要なのは下記の3つです。
- 初乳をしっかり飲ませる事
- 適切な初乳給与をしている酪農家から導入する事
- 畜舎や哺乳器具を消毒する事
下痢による事故率を改善させれば、経営改善に大きく繋がります。
適切な措置や予防を行い、事故率低減に努めていきましょう。
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