子牛に対して初乳はいつまで与えれば良い?免疫や給与量について解説!

子牛

子牛にとって最も重要な処置の一つに初乳があります。

産まれた後にしっかり初乳を飲まなかった牛は免疫不全で病気にかかったり、最悪の場合は淘汰しなければならなくなります。

初乳の重要性はほとんどの酪農家の人は認識していると思いますが、今一度

  • 初乳を与える理由
  • 初乳を与える期間
  • 初乳を与えてから最短でどのくらいで出荷できるのか

について確認していきましょう。

 

初乳は免疫を付けるために必ず給与する必要がある

子牛に対して初乳を与える理由は子牛は抗体ができていないためです。

特に牛は人間とは異なり、胎盤の中で牛が丈夫に守られています。

そのため、細菌やウイルスが子牛に届かない状況になっている反面、免疫機能も子牛に届きません。

つまり、産まれてくるときに免疫ゼロの状態で産まれてくるということです。

子牛のときに初乳でしっかり免疫を与えなければ、病気になってしまうなど悪影響があるため、初乳はしっかりと与えなければいけません。

 

実際に私が見てきた中でも初乳をしっかり飲んでいない酪農家の牛は生後60日以内の死亡率が極めて高かったです。(へい死率が10%~15%程度以上の酪農家も)

いかに初乳が子牛にとって重要かを証明していますね。

 

初乳はいつからいつまで与える必要がある?初乳の量はどのくらい?

初乳を与える期間は出生から6時間以内に与え、3日~1週間まで与えることが目安とされています。

ポイントは

  • 初乳に含まれる栄養分が長く続くのが1週間のため
  • 産まれてから6時間以内の給与が最も重要
  • 出生後24時間以降は免疫がついているため離乳させても大丈夫

特に重要なのが出生後6時間以内の初乳です。

6時間以内に最低でも2~3L、24時間以内に最低6Lを与えることによって死亡率は大きく減少します。

可能ならば6時間以内には2回2Lずつの初乳をあげてください。

 

初乳に含まれる免疫に関しては

  • 分娩後が最も高い
  • 12時間後は分娩直後の60%
  • 24時間後は分娩直後の4%

となっています。

つまり分娩直後は全力で初乳を飲ませ、次の日は無理しなくても問題ないということです。

 

初乳の重要性を証明する口コミ

現場での口コミを確認したところ初乳は重要であるという口コミは非常に多かったです。

代表的なTwitterでの口コミを見ていきましょう

 

初乳を飲ませてから最短で出荷できるのはいつ?

これには様々な意見がありますので、私の体験談をお伝えします。

結論的には初乳を飲ませてから2~3日で出荷しても問題ありませんでした。

私がコンサルティングした酪農家で早期出荷によるコストカットを目標に生後2~5日で肉牛農家に出荷していた酪農家がいましたが、生後60日以内の事故率(酪農家及び出荷先)はほぼ変わりませんでした。

年間1000頭以上出荷していたので、一定の証明になるかと思います。

つまりしっかり初乳さえ飲んでいれば最短で2日以内の出荷が可能ということになります。

もちろんこれは個人の体験談によるものなので、酪農家や肉牛農家の管理体制によって大きく異なるという点は留意していただければと思います。

 

まとめ

今回は子牛の初乳について詳しく解説しました。

ポイントは

  • 子牛は免疫ゼロで生まれてくるので、初乳が極めて重要
  • 初乳は生後6時間以内が重要!最低2L。可能ならば4Lの給与を
  • 生後24時間でしっかりと免疫がつく
  • 初乳をしっかりと飲んでいれば生後3日程度の出荷は特段問題ない

という点です。

子牛の価格が上昇している現在では事故率の増加は経営に大きなダメージを与えます。

しっかりと給与して経営改善につなげていきましょう。

 

参考資料

正しい初乳給与

初乳の与え方 家畜技術情報

子牛の飼料給与 中央畜産会

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