- 子牛の四肢の骨が見えている状況だ
- 四肢が誇大化している
- 肢の状態がかさぶたがとれたようになっている
といった症状に見舞われたことはありませんか?
これは一般的には関節炎と呼ばれる症状で、対応が遅れると廃用になってしまうケースも多いです。
今回は子牛の関節炎の原因と治療法について解説していきます。
関節炎の原因は外傷によるケースと内部の最近によるケースの二つある
関節炎の原因は大きく分けて2つあります。
- 外傷による傷から入った細菌が関節まで回るケース
- 臍帯炎や肺炎などから四肢まで細菌が及ぶケース
具体的に見ていきましょう。
外傷による細菌によるケース
外傷による細菌が血液に回り、関節まで及び関節炎を引き起こすケースがあります。
これは
- 足をどこかにぶつけてけがをした
- ねじってしまった
- 鋭利なものに足をぶつけた
というときに起こりうる症状です。
早期の発見や治療で回復するケースが多いですので、歩様を確認するなどして事前に対策しましょう。
臍帯炎や肺炎などから関節まで細菌が及ぶケース
初生牛に多い症状ですが、臍帯炎や肺炎の細菌が関節まで及び関節炎を引き起こすケースがあります。
- 分娩時の臍の処理が雑
- 親牛の管理が悪く、免疫不全で生まれてきた
- 初乳をあまり飲まなかったため、免疫がついていない
といったときに見られる症状です。
免疫が弱い初生牛の事故のため、発見時には手遅れになるケースも多いです。
関節炎への対策方法
関節炎への対策方法は下記の通りです。
- 出生した後にへその消毒を徹底する
- 分娩清潔に保つ
- ハッチやパドック内にけがの原因になるものを置かない
- 親牛の管理を適切にし、初乳をしっかり飲ませ免疫をつける
抗生物質の投与や軟膏の投与も対策の一つとして挙げられますが、子牛の育成へ悪影響を及ぼす可能性があります。
もし関節炎が見つかってしまった場合は獣医師に素早く相談することをおすすめします。
関節炎が起こってしまった後の対策方法としてあげられるのは下記の通りです。
- 関節切開手術によって患部の洗浄を徹底する
- 長期抗生物質の投与
生後数か月たって免疫が十分な子牛については回復の見込みがありますが、生後間もない牛については関節炎を引き起こした時点で手遅れになるケースもあります。
関節炎に対する一番の対策は事前の予防です。
管理・消毒を徹底して関節炎の発生自体を防ぎましょう。
参考資料
家畜技術情報:子牛の慢性の関節炎に対する治療方法
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