子牛の事故率(死亡率)ってどのくらい?淘汰の防止方法を紹介

子牛の事故率ってどのくらい?淘汰の防止方法を紹介 乳用種

酪農や素牛農家の方は子牛の事故率が気になったことはありませんか?

子牛は肥育牛と比較すると体ができていないため、事故率が高く、コクシジウムなどの病気の影響で多数淘汰してしまったという経験をされた方も多いかと思います。

今回は私の経験と実際のデータからでた子牛の事故率と防止方法について紹介していきます。

 

品種ごとの子牛の事故率について

過去のデータを調べた結果、子牛の事故率は下記の通りとなりました。

  • ホルスタイン・・約5%
  • 交雑種・・約4.4%
  • 黒毛和種・・約10%

※前提条件

・出生後2日から180日まで

・ホルスタイン約5000頭、交雑種約4000頭、黒毛和種約1000頭

 

特に黒毛和種の淘汰率が高く、平均で10%、農家によっては20%を超えるケースも珍しくありませんでした。

いずれの品種においても、雄と雌の差は誤差でしたが、若干雄の方がへい死率(0.5~1%前後)が低いという結果がでました。

雑種強勢と呼ばれるように異なる種別の牛の掛け合わせはやはり強いなぁという印象です。

ただし、飼養している農家との相性があるようです。

例えば、ホルスタインと交雑種を同じく飼養している農家で、ホルスタインの方が淘汰率が高いケースと交雑種の方が淘汰率が高いケースがありました。

 

淘汰の防止方法は初乳をしっかりと与えること

子牛の淘汰の最も有効な防止方法は初乳をいかに上手に与えるか!という点に限ります。

初乳の適切な哺乳量については下記の記事を参照にしてみてください。

子牛に対して初乳はいつまで与えれば良い?免疫や給与量について解説!
子牛にとって最も重要な処置の一つに初乳があります。 産まれた後にしっかり初乳を飲まなかった牛は免疫不全で病気にかかったり、最悪の場合は淘汰しなければならなくなります。 初乳の重要性はほとんどの酪農家の人は認識していると思いますが...

 

特に市場で購入する場合は注意が必要です。

牛の見た目が良くても、初乳をあまり飲んでいないため、購入したら全然イメージと違ったというケースは少なくないためです。

市場から購入するときは牛の見た目だけはなく、生産者まで確認してみることをおすすめします。

 

導入先別の淘汰率については弊社でトレースアビリティを利用した一元管理できるモニタリングシステムを提供しています。

興味がある方はお問い合わせページからお問い合わせください。

 

生まれ落ちの体重が大きい方が淘汰率は低い

生後の体重が大きい方が淘汰率は低いという傾向にあります。

実際のデータを確認してみましょう。

生まれ落ちの体重の大きさは母体管理が大きく影響します。

・適切な頭数の維持

・母体の個体管理

なども淘汰率減少に重要な要因であることがわかりますね。

淘汰率の減少に成功したケース

淘汰率の減少に成功したケースは下記の事例があります。

当たり前に感じるかもしれませんが、

・初乳の栄養

・衛生管理

・個体ごとに区切る

・データ管理

・離乳ストレス軽減

・ベンチマーク

はとても重要な要素であることを証明した結果となりました。

 

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