乳牛の平均分娩間隔はどのくらい?どうやって短くするのかを解説

乳牛の平均分娩間隔はどのくらい?経営的に危なくなる水準は 親牛

酪農家の方にとって乳牛の平均間隔は重要な経営指標です。

もし、間隔が伸びるようであれば、経営にとって大きなダメージを与えますし、淘汰率の増加にもつながります。

平均分娩間隔や分娩間隔を短くする方法について気になる方も多いですよね。

 

今回は

  • 平均分娩間隔はどのくらいなのか
  • 経営にとって悪影響を与えるレベルは?
  • 分娩間隔を短くするにはどうすればよいのか

という点について解説していきます。

 

平均分娩日数は約435日

乳牛の平均分娩間隔は約435日です。

平成24年時点での調査なので、現在ではもっと伸びている可能性があります。

分娩間隔は北海道及びその他府県によって異なります。

・北海道は約430日

・その他都府県は約446日

北海道の方がやや短い傾向にあります。

 

思ったより長いなぁと感じた方も多いかと思いますが、これは平均値をとっているためです。

一部の長く飼養されている牛が平均値を引き上げているため長期化している傾向にあります。

実際に統計上最も多い数を表す最頻値の値は

・北海道361日 都府県360日

統計の真ん中の数値を表す中央値の値は

・北海道406日 都府県416日

でした。

 

目指すべきは平均分娩間隔400日

経営的に目指すべきは平均分娩間隔日数400日です。

もちろん360日程度がベストなのですが、実際にすべての牛がこのようにうまくいく可能性は低いでしょう。

平均分娩間隔が伸びている牛は経営的に悪影響を及ぼすため、淘汰も検討すべきでしょう。

 

もちろん、分娩間隔を伸ばした方が乳量がとれるケースもあります。

しかしながら、子牛の売却益や回転率を考慮すると平均分娩間隔を短くした方が経営的にプラスに働きます。

あくまで目指すべきは平均分娩間隔の短縮であるという点は念頭に置いておいてください。

 

分娩間隔を短くするためにはどうしたらいいのか

分娩間隔を短くするための方法は主に下記の3つです。

・平均分娩間隔が長い牛を淘汰する

・高品質の餌を利用する

・IT機器を利用して、管理能力を高める

 

平均分娩間隔が長い牛を淘汰する

最もベターな方法が平均分娩間隔が長い牛を淘汰するとうことです。

平均分娩間隔が長い牛はいるだけで餌代だけかかり、マイナスになりケースがあります。

受胎率の悪い牛を淘汰し、全体の成績を向上させることが重要です。

 

牛の管理に自身がない方向けに、トレースアビリティを利用した管理代行を行っています。

・淘汰すべき牛の照会

・導入先別の牛の成績

などの経営指標をモニタリングしますので、気になる方はお問い合わせください。

 

高品質の餌を利用する

分娩間隔の短縮に重要な指標として飼料があります。

餌の栄養が少ないことで、牛にストレスがかかり、受胎しないというケースがありためです。

とはいえ、餌を変えて経営が大きく悪化したというケースは少なくありません。

以前のコンサル先で、餌を変えたがために経営が大きく傾き、数千万円の赤字を抱えたという農家を数多く見てきました。

飼料会社のみならず、第三者の方も含めて餌を見てもらうことをお勧めします。

 

IT機器を利用する

近年では分娩を管理するIT機器などもリリースされていますね。

代表的なIT機器はファームノートでしょうか。

反芻の発見や運動の法則から発情を発見できるという仕組みになっているようです。

授精プログラム費用の削減、受胎率の向上、管理能力の向上などに期待ができるようです。

 

ただし下記のような問題点があります。

・つなぎ牛舎での効果は不透明

・機械に人間が使われることも

コンサル先でファームノートを利用している酪農家の方を見たことがありますが、効果が出ている農家もいれば必ずしも効果が出ていない農家もいました。

あくまで授精させるのは自分であるという認識が必要ですね。

 

参考資料  新しい牛群検定成績表について

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